以前、Graded Readers(GR)と児童書、どちらを読めばいい?などというトピックで書きましたけれど(結局どちらも!なんですけれど)、そういえばあんまりGR自体にフォーカスを置いた記事を書いていないなあ、と。で今更ながら、なのですけれども、今回はその中でも大人向け、と思うCambridge English Readersシリーズについてちょっと書いてみたいと思います。
Cambridge English Readersは、ケンブリッジ大学出版から出されているシリーズなのですが、その特色はオリジナルのストーリーというところにあると思います。
他のGRであるPearson(Penguin)、Oxford Bookwormsなどが有名な作品のリトールド版中心であるのに対し、Cambridgeのシリーズは、多読をされている方には有名なLoganシリーズ(下記ご参照ください)など、様々なテーマのオリジナルストーリーの宝庫です。
最初の入り口、スターターシリーズから、シンプルではありつつも、大人でも満足できるようなストーリー展開の”小説“が楽しめます。
Dirty Money
GRの名著者、Sue Leather作品。美しいカナダの生活を楽しんでいたところ、ダイアモンド採掘がはじまったのですが、それがなぜか少しおかしいのです。。
Level 1
The Big Picture
やっぱりSue Leather作品。カメラマンの主人公が偶然とった写真がもとにトラブルに巻き込まれるお話。日本が舞台なのも楽しい(ちょっと不思議な“日本”であるところはご愛敬)。
Level 2
Superbird
SFも楽しめます。地球にやってきた宇宙人が主人公ですが、読者をミスリードする仕掛けがあったりして、シンプルな英語ではありますが、楽しめます。
Logan’s Choice
こちらが女性警部Loganシリーズ。レストランオーナーの死体が浴室で発見された。当初は事故死と思われたが。。他のレベルでも同シリーズを読むことができます。
Level 3
Double Cross
こちらはスパイものに入るでしょうか。スウェーデンの諜報機関所属の女性がヨーロッパ、アフリカをまたにかけ大活躍。ハラハラドキドキ、読み進められます。こちらはPhilip Prowse作品。この作者さんも他にもたくさんのCambridge作品を手掛けておられます。
How I Met Myself
ドッペルゲンガーもの?自分にそっくりな人を見かけた主人公。周りに信用されず、家族からも疑われ。。
Level 4
Man Hunt
マズルカ大好きRichard MacAndrew作品。シリアルキラーの独白と、警察の推理が交互に語られる、という手法で読み手をひきつけます。
Love in the Lakes
ボーイフレンドと湖畔に出かけた主人公。そこで獣医の男性と出会って。。3人の恋の行方は果たして?Cambridgeはミステリだけじゃありませんよ!
Level 5
East 43rd Street
元NYPDの探偵が主人公。荷物を届けるだけの簡単な仕事のはずが。。シリーズものです。
各レベルをまたぐシリーズものもありますし、また何人か著者を上で上げましたが、シンプルな英語で、制限のある中、面白いお話を書いておられるGRの著者さんがたくさんおられます。気に入った著者の作品を中心に少しずつレベルアップ、というのも一つの作戦かと思われます。同じ著者の方の本っていくつか読むと、読みやすく、レベルが上がっても自然に読めたりする気がします(私見)。
大好きな作品やこれから試したい作品のリトールド版を読む、という楽しさもありますが、Cambridgeのように、大人も耐えうる、上質のオリジナルストーリーで気づけば読了、というのも多読の楽しみ、また多読の進め方の一つかな、と思うマズルカです。
レベルに迷ったら;
最初、どのレベルの本を読もうか迷ったら、上記CambridgeのサイトのResourcesのページからサンプルのダウンロードができますので、数ページ見てみて、おもしろそうなもの、レベルに合ったものを読むのがよいかもしれません。