Mazurkaの英語よもやま話

地方出身で英語が専門でもなかった私ですが、現在TOEIC985点。アラフィフになっても少しずつTOEICスコアをアップしていけている理由。あんまり頑張りすぎない試行錯誤ぶりをご紹介します。

英語多読 歴史ものは敬遠しがちでしたが

毎日まだまだ暑いですね。ついつい投稿がおそくなってすみません。
本当にここの所、積読ものを読みました話ばかりでごめんなさい。アン・ペリーの「The Cater Street Hangman」をやっと読みました。

 


これは彼女の処女作でもあります。タイトルにも書きましたように、いわゆる歴史もの、ただ事実に沿ったものではなくて、歴史ミステリーとでもいうのでしょうか。19世紀(いわゆるビクトリア時代)のイギリスを舞台にした推理小説です。
一読しての感想は、推理小説としても面白いのですが、それよりも、自立した心を持った女性の葛藤をうまく描いた作品、というイメージです。全然中身は違うのですが、ジェイン・オースティンの作品、「高慢と偏見(Pride and Prejudice))とか、「エマ(Emma)」を思い出しました。
裕福な家庭に育ったシャーロット。彼女の家がある高級住宅地Cater Streetで若い女性ばかりが殺される連続殺人事件が起こります。殺人が起こっているのにそれを娘たちに見せない、なかったことにしようとする父(ただ頑固に見えますが、でもとても娘たちを愛してはいるのです)。何不住ないにもかかわらず、結婚することがただ一つの目標、そして生きる道とされている両家の娘たちのある意味束縛された人生。そこに殺人事件の捜査にやってくるInspector Thomas Pitt(つまり身分的には低い男性)。殺人事件に巻き込まれるような女性は、自分たちの身分にはいない、という勝手な理屈で見ないふりをする人々。でもそんな階層の人々の中にもひたひたと、犯人の魔の手が忍び寄ります。そしてついに…。犯人が分かってからも、またもう一度考えさせられる作品でした。
歴史ものは背景がわからないと理解できないことも多く、ちょっと敬遠しがちだったのですが、むしろ普遍的なテーマを扱っているような気もします。それでいて、ミステリー仕立てですので、押しつけがましくなく、気になって読み進められる作品ではないかと思います。英語もペーパーバックとしては比較的読みやすい部類と思います。シンプルな英語ではありますが、当時の街の雰囲気、いろいろな階層の人々の生活がとてもリアルに感じられてそのあたりもお薦めです。
シャーロットとトマスの作品はシリーズ化されています。この作品はもしかすると連作を念頭に置かずに書かれたものかな、という気がしましたので、今後どういう風に展開していくのか、もう少し読んでみようかなと思います。
ちなみに、アン・ペリーは作家としてだけでなく、あることから一部では割と有名な人のようです。本を読む際の先入観になるかもしれないので(私は偶然知ってとてもびっくりしました)こちらには書きませんが、気になる方はウィキペディアなどでお調べください。うーん、こういう経験もこの本のテーマに影響しているのかも。どうかしら…。
少し話外れますが、本を読むときに作者について皆さんお調べになりますか?マズルカは読み始めて面白いなと思ったら、読んでいる途中に、シリーズものかしら、次またこの作者さんの本を読んでみようかしら、とついついウィキペディアで調べてしまいます。そこでちょっとストーリー展開が読めてしまったりして、あちゃ~ということもあるのですけれど、やめられません…。先ほどお調べください、なんて書いてしまいましたけれど、読み終えてからにされることを、お勧めいたします。

 

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