スウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」がとてもよい,と聞いていて、でも見そびれたので本で読もうかな,と思ったのですが,結局audibleでの聴き読みを選択。
ただ残念ながらちょっと読み手さんのお声が私には合わなくて,なんとなく途中で積読(audibleでもそういいますかね…)になってしまっておりました。
この度ハリウッドで「オットーという男」というタイトルでリメイクされたと聞いて,また読みたい病が再燃。再度,今度はペーパーバックで挑戦いたしました。長い積読になったものですが,これ,何度も映画化されただけあって,本当にいい本です!また積読してて損しちゃいました。
A Man Called Ove
(ここからちょっとだけネタバレです)
Oveは外から見るとはっきり言って,口うるさい面倒なおじさん。でも実は愛していた奥さんが亡くなって,落ち込んでいるのです。奥さんのお墓に行って座って話すのが日課で,奥さんのいない世界が耐えられず何度も自殺を図るくらい。でも何度も失敗しちゃいます。本人はいたってまじめなのですが、なんだか滑稽に映るところが,変な辛気臭さがなくってよいのです(むしろ全体を通してコミカルな雰囲気のお話です)。
そんな人生に楽しみを見いだせなくなっている孤独なOveですが,お隣に越してきたイラン人一家(奥さんはお腹に赤ちゃんがいます)のいい意味で無神経な介入のおかげもあって,少しずつ周りとの関係性を築いていきます。残念ながら仲たがいしてしまっていた昔からの隣人夫妻との関係性も,この夫がアルツハイマーで施設に入れられようとしているのをOveが助けることで復活します。また若い郵便配達の男の子が自転車をなおせなくて困っているのを助けてあげることで,彼の尊敬を得ます。
こう書いていくと,Oveが人々との関係で改心?していくかのように感じるかもしれませんが,Ove自体はあくまでぶっきらぼうなおじさんのまま。だってもともと,心根の優しい人,ただそれを表すのが苦手で分かってもらいづらいだけなのですから。”いいひとになる“みたいなかんじじゃない,説教っぽくないとこがいいなあ,と。
イラン人一家の娘さんたちとの関係もほろりとさせます。最後は…。これはハッピーエンドといっていいのですよね…。ほんわかした気持ちで最後のページを閉じられました。
途中で奥さんとの出会いや結婚後の生活など,Oveの回想シーンが何度も挟まれますが,シンプルなわかりやすい英語ですので,誤解せずに読めるかと思います。
そうそう,そこかしこに主張されるOveや他の登場人物の車への愛(Oveは断じてサーブ!)も,最早コミカル。クルマ好きの方なら,もっと楽しめるかもしれません。
思えばこれはスウェーデンの作家さんの作品ですので,英語版も翻訳なのですよね。それも読みやすい理由の一つかもしれません。ちなみに東野圭吾さんや伊坂 幸太郎さんの作品など,日本語作品の英訳をいくつか読んでみましたが,いずれも読みやすく感じましたので,翻訳作品は多読向き?という仮説。ただまだまだ,実体験が少ないのですので,いくつか読んでみて,また改めてご報告させて頂きますね。
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