Mazurkaの英語よもやま話

地方出身で英語が専門でもなかった私ですが、現在TOEIC985点。アラフィフになっても少しずつTOEICスコアをアップしていけている理由。あんまり頑張りすぎない試行錯誤ぶりをご紹介します。

英語多読 失敗の原因を紐解いてみる

英語よもやま話,と銘打っておきながら,最近本の紹介が続いておりまして…。この細々運営中のブログに折角来てくださる方に役立つ情報は何かな,と改めて考えてみましたところ,やっぱり”成功体験“より,なんで失敗したか,の話に興味がおありだったりするかしら,と思い至りました。そこで以前にもちょっと書きましたが,なんで1回目の英語多読トライがうまくいかなかった(続かなかった)のか,について改めて考えてみたいと思います。ちょっと長くなっております。すみませんが、よろしければお付き合いください。

ご存知のように,多読を提唱しておられるSSS(Start with Simple Stories)のサイトにも書かれているように
多読3原則」として挙げられている多読の重要なポイントは,以下の通りです。

  1. 辞書は引かない (引かなくてもわかる本を読む)
  2. 分からないところは飛ばして前へ進む (わかっているところをつなげて読む)
  3. つまらなくなったら止める (1 2 の原則で楽しく読めない本は読まない) 

www.seg.co.jp

基本私もこの点に異論はありません。また,1回目のトライの折からこの3点に関しては守ることにあまり違和感,難しさはありませんでした。これはもしかしたらもともと読書が趣味で,読むことに対する抵抗が少なかったのもあるかもしれません。実際正直申し上げて,日本語(母国語)でもあまり本を読むのは…という方にはこのメソッドは効果的なものではない気がします。
ではなぜ,続けられなかったのか。
当時の読書記録などを見つつ,いくつかの原因を考えてみました。

1.    Graded Readersを十分に活用しなかった
2.    早めに難しいレベルに引き上げてしまった
3.    100万語!を目標にしすぎた

1.    Graded Readers (GR)を十分に活用しなかった
これについては以前にも書いたのですが,なんとなくGR=retold=不自然?みたいな誤解というか思い込みが私の中にあり,あまり好んで読まなかったのです。そのため絵本や児童書を中心に読みましたが,正直あまりに子供向けの本を膨大に読むのは,飽きてしまい厳しいところもありました。また絵本は現地の子供には向いていても,実は教科書で育った日本人にとっては難しい表現であることも(そして単語が少ない分,類推が難しいことも)。このようなことから、”こんな子供向けの易しい本が読めないのか“という絶望感を誘発しがちでした。

2.    早めに難しいレベルに引き上げてしまった
誤解を恐れずに言いますが,私はもともとものすごく英語に苦手意識がある,というほどではなかったので(あくまで田舎の学生としてはですが)、0や1レベルの本は、そこまでたくさんの量を読まなくても次に進んでいいだろう,と自己判断してしまったのです。この考え方は1から2,2から3のどのレベルでも同じでした。つまり,初級レベルの本を十分に読まずに易しめのペーパーバックや,当時読みたかったハリーポッターシリーズに挑戦してしまったのです(記録によると80万ワード位)。

3.    100万語!を目標にしすぎた
2番目の原因とも関りがあるのですが,私が最初に手に取った酒井邦秀先生の『快読100万語ペーパーバックへの道』にもあるように,多読では“100万語”というキーワードがよく出てきます。単純な私は100万語読めば目標達成,つまりどんどん読みたいものが読めるようになるのでは,と短絡的に考えてしまったのです。
もちろん,酒井先生やSSSの先生方が100万語でOK!と単純に書かれているわけではありません。100万語というのは,“たくさん”の言いかえであり,一つの通過地点にすぎないことが今では身にしみてわかります。ただ,残念ながら当時はもっと単純にとらえていたのです。

それでもトータル200万語ぐらいは当時読んだと思います。でも一向に(当たり前ですが)すらすらハリーポッターが読めるわけではなく,また大好きなミステリが読みこなせるようにもならず,ああ,この方法もだめだったか,と単純にそこであきらめてしまった,というわけでした。

 

そんなこんなで数年が過ぎ,ひょんなことから”またやってみようかな“と思い至った私は,前回の失敗を糧に?以下のようなスタンスで多読を再開しました。

1.    3原則はやっぱり守ろう!
2.    GRを積極的に読もう
3.    レベルを早く上げることにこだわらない

1.    3原則はやっぱり守ろう!
やはり,3原則は偉大です。前回のトライでもその点に揺らぎはありませんでした。今回も基本遵守しています。ある意味趣味として,というか,楽しんで続けるには辞書をあまりひいていては無理があると思います。
でもメインの単語が分からなかったり,気になったりしたら辞書を引くことを禁止!にはしないようにしました。その方が気が楽になりますし,何度も出てきて,でも意味が類推できなかった(ある意味飢餓状態にある)単語は,一度辞書を引くと,ああそうだったか!とすとーんと腑に落ちて,記憶にも残る気がします。でも残らなかった場合は…再度引いてもいいや!位の気持ちで行くのが個人的にはよさそうです。

2.    GRを積極的に読もう
大きく方向転換した点の一つはこちらです。積極的にリトールド版の力を借りることにしました。そうしてみると,さすが,外国語学習者のためにつくられている本だけあって,大人でも興味深く読めるよう,古典的な名作から,ミステリやロマンス,ホラーなど,様々な引き込まれるストーリーが盛りだくさんです。

3.    レベルを早く上げることにこだわらない
ここが難しかった点です。前回は変なプライドがあって,これくらいもう読めるとか,こんな低いレベルはもう,みたいなところがありましたが(自分で読むだけなのに,なんだか不思議ですが),失敗したことによってそのあたりの自分への過信?が減ったのは良かったのかもしれません。レベル1,2,3あたりをずーっとさまよって?冊数を重ねていきました。結論から言うと遠回りなようで,その方がよかった気がします。

ではどうやってレベルを上げていけば?と悩むかもしれません。
これについては,読みたいものをレベルに関係なく読んでみる,がよい気がします。レベル4あたりを読んでいて,2に面白そうなものがあれば,それを読むもよし,レベル5位だけど読みたい!と思えばチャレンジしてみるのもよし(ダメだったら三原則の3に習ってやめましょう!もっと後で再度試すこともできますから)。SSSのサイト等では、目安として何ワード位読んだらこのレベルに、みたいなアドバイスを書いてくださっていますが、あくまで目安ですし、同じレベルでもテーマや作者によって自分が感じるレベルが異なることも多々あります。焦ったり、落ち込んだりせずに、好きなものを読んでワード数を重ねていきましょう。

残念ながら100万語読んでも,正直なところ自由に何でも読めるようにはならない,というのが私の結論です。1000万語すぎても,うーん,やっぱり残念ながら…。でも,冊数を重ねていくと,少しずつ楽しく読める本が増えている,というのが私の実感です。多読にゴールはありませんね…。
私もまだまだ,ですが,でも少しずつ視界が広くなって,楽しく歩んでいける気がするかな,くらいの気持ちはしてきました。皆さん,ぼちぼち、でも楽しく一緒に歩んでまいりましょう。

 

ある意味古典、私も最初に手に取りました

酒井邦秀先生の『快読100万語ペーパーバックへの道』

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