先日、児童書の名作で子供の頃読みそびれたものを、原書で読んでいる旨お話しましたが、この本もその一つです。
A Wrinkle in Time
「五次元世界のぼうけん」というタイトルで和訳もされています。
なんで読まなかったのか。実はマズルカ、ファンタジーやSFがちょっと苦手なのです。ちょっと「おとぎ話でしょ」みたいに斜に構えてしまうところがあったりして、入り込めないときがあって(お話にもよりますが)。そして、どうなんでしょう、すごく日本で名作!と取り上げられていたわけでもなかった気がします(知らなかったらごめんなさい!)。ただ、大人になって洋書を読み始めると、この本、他の本でも引用されていたりして(ニューベリー賞も受賞しています)、なんだか通り過ぎてしまっていたことを今更ながらに後悔。とうとう手を取ってみるに至ったわけです(しばらく例によって積読しましたけど)。単なるファンタジー的な児童書かなあ、なんて思っていたら、いやいや、侮れませんでした。
主人公Megは学校で勉強ができないと馬鹿にされています。双子の弟は社会的に適応してうまくやっているのですけれど、末っ子のCharles WallaceもまたMeg同様の扱い。でも彼らは今でいうGiftedなんですよね。Meg達の両親は科学者なのですが、ある日父親が姿を消します。いろんな噂のまとにされて傷ついている家族なのですが、実はある研究の過程で宇宙へ飛ばされてしまっていることがわかります。お父さんを助けるためにMeg達はワープにより時空を超えて旅立ちます。
父親がとらわれている惑星は、一見平和に見えるのですが実はITという支配者にコントロールされている状態です。ジョージ・オーウェルの「1984」の全体主義状態を思い出しました。そこにいる人たちは、洗脳されているのか違和感なく(また人によってはおびえながら)”平和な“生活を生きているのです。その異様さ、空恐ろしさはむしろ児童書だからこそ感じられるのかもしれません。なんかふと自分の、この世界のことを思い返したりして。気づいてないだけ?本当に大丈夫かしら…。
このテーマ、使い古されていると思う方もあるかもですが、1962年作品ということを考えるとすごいですよね。
Megたちはこの大きな存在に立ち向かって、お父さんを助けることができるのでしょうか…。お時間ありましたらぜひ読んでみてください。こちら4部作の第1作目ですが、1話完結です。
やっぱり名作と言われているのは、読んで損はないなあ、というのが今回の改めての感想です。またか、と言われそうですけれど。
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いろいろ名作本ありますね。よろしければこちらもご覧ください。