読書好きの皆さんの多くに賛同してもらえるのではないかな,と思うのですが,読みたい本って気づいたら積みあがって,いわゆる積読の山ができませんか。
最近はスマホやタブレットで読まれる方も多いかと思いますが,そしてその場合あんまり積読が気にならないのではないかなあと想像するのですが(どうなのかしら),マズルカの場合、相変わらず紙の本が好きなため,その被害は目に見えて甚大なわけでございます。
そんな山の中から,引っ張り出してきて読んだのが下記の本,Still Life(Louise Penny著)です。
書評がよくて気になって手に取ったものの,なぜか後回しになっていたのですが,読み始めてみたら,ミステリ,それもクリスティなどのクラシカルなのが大の好物,できればコージーなほうがありがたい,そしてやっぱり主人公には思い入れしたい(だから感じいい人が好き),というマズルカの嗜好にどんぴしゃり。
カナダのケベック地方の自然が美しい村で,年老いた元女性教師が弓矢と思われる傷によって死亡。最初は事故かと思われたのですが…。というお話。主人公のガマシュ警部(Chief Inspector Armand Gamache)は穏やかで部下とも,そして容疑者でもあるスリー・パインズ村の人々ともよい人間関係を築いていきます(例外もありますが)。
自然の描写が美しく,登場人物も多く(なので誰が誰か最初は何度も見返す羽目に),最初はともすればゆっくりすぎ?のどかすぎ?のようなストーリー展開なのですが,中盤以降どんどんいろいろなことが見え始め,だれが犯人かわかりそうでわからない,という状況になり,ページがどんどん進みます。最後には,あれ?あそこのちょっとした話も伏線だったの?みたいなことになったり,あ,絶対ここ作者のひっかけに騙された!(という心地よさ)となったりして,よき読後感でした。まあ,なんで犯人が分かったか,というところで,うーんちょっと理由が専門的,とは思ったりしたのですが,まあそこはご愛敬。そして,弓矢についての英単語の知識がちょっと増えたかも(どっかで使えるかしら。笑)。
「スリー・パインズ村の不思議な事件」というタイトルで和訳もでているみたいです。
そして,うれしいことにガマシュ警部,そしてスリー・パインズ村の物語は続編もあるようです。
こういう出会い(というか、買ったわけですから一度出会って忘れているだけなのですが)があるので,今日もマズルカ,積読本が入った段ボールの中を確認しては,次に何読もう,とにんまりして家族を呆れさせているのです。今年こそは山を小さく,と思いつつも,ガマシュ警部のシリーズそろえようかなあ,などと不届きな思いが芽生え,なかなか達成されない年初の目標となっております。でもきっとたくさんの本好きさんたちに同意していただけると思うのですけれど…。