突然ですが、皆さんNHK Eテレの「昔話法廷」という番組をご存じでしょうか。昔話の登場人物たちを現在の法律で裁く、というちょっと変わった着眼点の番組です。残念ながらマズルカは番組に間に合わず、後から本で読んだのですが、このシリーズに、三匹の子豚の末っ子豚はオオカミを殺した殺人犯か、もしくは正当防衛か、という法廷論争がありました。そんな考え方もあるのか、と目が点。
で、思い返してみると、三匹の子豚の新しい切り口の絵本、結構たくさんあるんですよね。みんなもしかしたら、ちょっとだけオオカミに同情しているのかも?どれもいい感じにブラックですので、いくつかご紹介いたしますね。オリジナルストーリーを知っているのが前提ですので、どっちかというと、大人向けかと。
The Three little Wolves and the Big Bad Pig YL2.5程度
こちらの世界では、ちいさくてかわいいのは、ブタではなくて、オオカミさんたち。お母さんからは怖い悪いブタに気を付けるように言われています。独り立ちしたオオカミさんたちはおうちを建てますが、そこに怖いブタがやってきて。。どんどんすごいおうちを建てるオオカミさんたち。それをどんどん壊しちゃうブタ。最後はどうなっちゃうの!?
Seriously Silly Stories: Ecowolf and The Three Pigs YL2.5程度
こちらも、怖い悪い3匹のブタと、オオカミ(ヒッピーみたいな、エコ・ウルフ)のお話。ある日悪いブタたちが、スーツを着て大きな自動車で、自然あふれた森にやってきます。そこでどんどん環境に悪い建設、開発をはじめ、最後にはパワーステーションまで!エコじゃない=badという設定が現代っぽいですね。Seriously Silly Storiesは、本作以外にもいろんな昔話をsillyなお話に仕上げています。
The True Story of the Three Little Pigs YL2.5程度
こちらはオオカミ側に立った、三匹のコブタの”真実の“お話。「おばあさんのケーキのための砂糖を借りにいったのを勝手にブタさんたちが誤解しただけで、そんなつもりは全然なかったんです」そういえばそうかしら、と、なんだかオオカミがかわいそうになってきます。。ちょっと笑えるおとぼけの絵もストーリーと相まっていいかんじです。
The Three Pigs YL1.5程度
David Wiesner作品だけあって絵がとても美しいです。オオカミに追われた子豚たちは絵本を飛び出して他の本へ飛び込んでいきます。ああ、言葉では説明しづらいので(絵は言葉よりたくさんのことを語ってくれますね)、ぜひ、手に取ってみてください!
シンプルでいて奥深い昔話は、いろんな作家さんの創作意欲を掻き立てるのでしょうか。この他にもいろいろありそうです。上にあげた本の多くは和訳されていますが、英語で読めるようになると、こういった面白い観点の本をより広く探せるようになるのが、また楽しいですね。マズルカもぼちぼち、頑張ろうと思います。また面白いものを見つけたら、ご紹介させていただきますね。
昔話法廷1
そんな考え方もあるのか、と目が点。よかったら読んでみてください。三匹の子豚以外にも、いろんな昔話が取り上げられています。
4冊セットはこちら。
Sleeping Beautyについても書きました。よろしければご覧ください。